研究成果報告書(概要)

平成12年度 第19回

研究課題
染色布による紫外線遮蔽性能に関する研究
研究者所属
大阪市立大学 生活科学部 生活環境学科 教授
研究者氏名
佐藤 晶子
研究期間
平成12年4月1日から平成13年3月31日まで(ただし、平成12年4月1日から平成13年5月23日まで、AIC Color 01 Rochesterへの発表準備期間を含む)

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研究成果 概要

和文

 17種類の構造の異なる直接染料を用い、700-400nm可視域、400-320nm(UVA)、320-280nm(UVB)の各波長域におけるモル吸収係数を測定し、染料の色濃度と紫外線吸収特性について構造との関係より明かにした。次に、染料の布(綿布)への染着性と布の着色劾果について明かにするとともに、染色布の紫外線透過率を測定することにより、染料の布上での紫外線遮蔽効果に及ぼす染料の構造特性について考察した。一方、染料が紫外波長域において吸光係数が大きいということは、紫外線による影響を受けやすいということが考えられるため、耐光堅牢度を測定した。
 キセノンアーク灯照射後の染料ならびに染色布の紫外線透過率を測定することにより、紫外線吸収特性に優れ、かつ、紫外線に耐性をもつ直接染料の構造について明かにした。また、染色による着色という実用的見地から、可視部の色濃度と光退色の関係についても合わせて検討した。
 その結果、いずれの染料も、淡色布であっても染色することにより白布に比して紫外線遮蔽性能が著しく向上する。赤や青系染料では濃色染色布で反射率が低下する(光吸収が高い)ことにより紫外線遮蔽効果が向上し、一方、黄系染色布では、濃色であっても反射率が低下しないにも関わらず紫外線遮蔽性能が高いという結果が得られた。染色布の耐光堅牢度は講造によって異なるが、堅牢性に低い染料であっても、濃色に染色された染色布では退色後においても紫外線遮蔽効果が認められるなどの結果を明かにした。以上の成果をAIC Color 2000(Seoul),2001(Rochester)において発表した。
 残された課題は、染料の会合度を光散乱から予測し、光退色が紫外線遮蔽性能の関係について明かにし、あわせて、他の繊維と染料の組み合わせについても検討することである。染料は従来、その着色による審美効果、耐久性という消費性能について検討されてきた。染料の紫外線遮蔽性能という新たな機能についてさらに研究を進めていく予定である。

英文

 The purpose of this study is to investigate the effect of interactions of dye to rays of VIS, UVA and UVB, on blocking property against UV–rays. Seventeen kinds of direct dyes were used in this experiment. Even on the light colored fabrics, the dye on the fabrics would be able to effectively absorb not only the visible rays but also UV rays and consequently block the UV rays. The yellow colored fabrics were examined high luminance reflectance even at high uptake of dye on the fabrics. At the deep shade the dyed fabrics with red and blue were examined effective UV rays shielding, and at the light color the dyed fabrics with yellow were examined higher level of UV rays shielding than the other colored dyes.
The relation between blocking property against UV rays by dyed fabric and its color fastness to light was also examined. Color fading of dyed fabrics depended on the structure of dyes. Even the dye having lower fastness property to light, the darker shade fabrics dyed with them were examined still remaining higher UV blocking property.

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