研究成果報告書(概要)

平成16年度 第23回

研究課題
電子材料・デバイスの腐食制御法
研究者所属
早稲田大学 理工学部 物質開発工学科 教授
研究者氏名
酒井 潤一
研究期間
平成16年4月1日から平成17年3月31日まで

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研究成果 概要

和文

 本研究では電子材料・デバイスを自然環境で使用したとき生じる腐食損傷の内、最もユニークであり、しかもゴムを緩衝材およびシール材に用いるとき頻繁に起こる、銀の微小硫化腐食に的をしぼり、
①その腐食環境の形成過程を解明、定量化し、
②腐食損傷防止法の確立することを目的とした。
 本年度は平成16年度~18年度の3年間に亘る一連の研究計画の第1年度に当たる。以下の研究成果が得られた。

1)
微小硫化腐食発生に必要な腐食環境形成条件(電子材料表面に水膜が形成し、そこにイオウを含む腐食性物質が到達する条件を意味する)を明確化するために、ゴム(クロロプレン)から放出されるイオウ種の同定とイオウ種濃度の定量化を試みると共にゴムからのイオウ種放出に対する温度および相対湿度の影響を測定した。その結果ゴムから放出されるイオウ種はCOS及びCS2であり、その濃度は同一温度でのS8蒸気に換算して1/100以下であった。また腐食速度は温度に著しく依存するものの、湿度にはほとんど依存しないことが分かった。
2)
銀の微小硫化腐食過程をQCM(水晶マイクロバランス)とカソード還元法を用いて、反応速度論的に検討した。イオウ種としてイオウ華をモデルとして選定して、イオウ華と銀との反応速度を温度および相対湿度の関数として測定した。ゴムの場合と同様に腐食は時間とともに直線的に進行した。また腐食速度は温度に強く依存するが、湿度にはほとんど依存しなかった。この結果に基づき、反応機構を現在検討中である。
3)
実用的微小硫化腐食制御方法として銀の合金化を検討し、1~2%Pdを添加した銀合金が純銀の2倍の耐食性を示すことを明らかにした。しかし、0.5~2%Ptの添加では耐食性に対する効果は見られなかった。

英文

 Sub-micrometer order corrosion of silver by sulfur containing vapor coming out from a rubber and sulfur flower was studied by quartz crystal microbalance and cathodic reduction techniques as a function of temperature and relative humidity. Temperature showed a marked influence on corrosion of silver, while humidity showed little effect on the corrosion rate. The outgassing sulfur species were COS and CS2 from the rubber and S8 from sulfur flower.
 Alloying of silver by palladium(1%)increased the corrosion resistance of pure silver significantly, while platinum addition did not.

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