研究成果報告書(概要)

平成18年度 第25回

研究課題
電子材料・デバイスの腐食制御法
研究者所属
早稲田大学 理工学部 物質開発工学科 教授
研究者氏名
酒井 潤一
研究期間
平成18年4月1日から平成19年2月28日まで

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研究成果 概要

和文

 本研究では電子材料・デバイスを自然環境で使用したとき生じる腐食損傷の内、最もユニークであり、しかもゴムを緩衝材およびシール材に用いるとき頻繁に起こる、銀の微小硫化腐食に的をしぼり、
①その腐食環境の形成過程を解明、定量化し、
②腐食損傷防止法の確立することを目的とした。
 本年度は平成16年度~18年度の3年間に亘る一連の研究計画の第3年度に当たる。以下の研究成果が得られた。

1)
微小硫化腐食発生に必要な腐食環境形成条件(電子材料表面に水膜および硫黄を含む腐食性物質が出現)を明らかにするために、ゴム体積依存性を調べたところ、腐食速度はゴム体積の対数に依存した。また、試験片中央部まで黒色に変化した状態では、すでに硫化皮膜厚さが15~20 nmに達していることが分かった。
2)
銀を代表的電子材料として、クロロプレンゴムによる微小硫化腐食過程を反応速度論的に検討した。微小硫化腐食発生過程を解明するために、腐食速度の温度依存性から、反応の活性化エネルギーを得た。その値とゴム中の硫黄の拡散の活性化エネルギーの推定値がよく一致していたため、クロロプレンゴムによる銀の微小硫化腐食は、ゴム中の硫黄の拡散律速と考えられた。
3)
実用的微小硫化腐食制御方法として、ステンレス網による遮蔽及び銅による犠牲防食を考えた。遮蔽、犠牲防食共に腐食速度の減少が確認されたが、犠牲防食の効果は特に大きかった。
4)
温度を上げ、硫黄源からの距離を近くすることで、実使用の場の長期間の銀の硫化皮膜厚さを短期間で再現できる。ISO環境で規定されたIC4環境(厳しい腐食環境)の10年分の腐食量も75℃、硫黄華と銀試験片との距離7cmという条件下での約2日間の暴露で再現できる。

英文

 Sub-micrometer order corrosion of silver by sulfur containing vapor coming out from rubber was studied by quartz crystal microbalance and cathodic reduction techniques as a function of volume and surface area of rubber. The corrosion rate increased logarithmically with the volume of rubber. No significant dependence on surface area was observed.
 By changing the temperature or by decreasing the distance from the solid sulfur source, the corrosion test using solid sulfur provides a realistic accelerate corrosion test for silver.

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