研究成果報告書(概要)

平成19年度 第26回

研究課題
カーボンナノ材料分散による樹脂の耐候性向上に関する研究
研究者所属
東京大学大学院 工学系研究科 教授
研究者氏名
青木 隆平
研究期間
平成19年4月1日から平成20年3月31日まで

報告書はこちら(PDF68KB)

研究成果 概要

和文

 本研究は,カーボンナノチューブ(CNT)やカーボンナノファイバー(CNF)などのカーボンナノ材料が有する高い遮光性を利用し,これらを樹指に分散させて大気中あるいは宇宙空間での耐紫外線性能を高めることで,従来の樹脂基材の炭素繊維強化複合材料(CFRP)の耐候性を向上させることを主な目的とした.
 研究は実験を中心に行った.試験片は90°方向8枚積層の一方向材のCFRPを用いた.試験片の表面にCNFを分散させた樹脂を塗布したが、その塗布量を調整しCNFなし,CNFが5[g/m2],CNFが10[g/m2]の3種類の試験片を作成した.CNF分散樹脂は,CFRPプリプレグを積層したものの表面に手塗りし,これをホットプレスで成型した板から,大きさ180[mm]×20[mm]の試験片を切り出した.試験片群は2つに分け,一方は屋外環境に曝露し,もう一方は室内に静かに設置した.曝露期間が4ヶ月弱(119日)のものと2ヶ月弱(46日)のものを作り,これらをその後の試験に供した.
 まず重量変化から見た吸湿量について,CNF分散樹脂を塗布した試験片で吸湿が大きくなった.これはCNFによる水分遮蔽性よりも,その分散に伴う試験片表面組さの増大による表面積増加が吸湿を加速したものと考えられる.引張試験の結果では,引張剛性の変化についてはデータのばらつきが大きく有意な結果が得られなかった.一方,引張強度については屋外曝露したものでCNF分散樹脂を塗布した試験片が塗布していない試験片よりも数10%程度大きな強度を示したが,これらについてもバラツキが極めて大きく,より一層の検討が必要であろう.減衰特性については,屋外曝露の試験片は曝露時間の増加に伴って全ての試験片で減衰率が低下したが,もともとCNF分散樹脂塗布によって減衰率が下がることから,これを塗布したものの試験片のほうが,塗布していない試験片より常に減衰率が小さくなっていた.

英文

 The purpose of this study was to verify the effect of UV ray interception by the carbon nanofibers (CNF) that may be utilized to increase the resistance of conventional resin based carbon fiber composites (CFRP). CNF-dispersed resin was spread on top of the 90° unidirectional CFRP laminate. The specimens were weathered under the open-air condition, together with the controlled specimens kept indoor. For the weathered specimens, CNF covered specimens showed apparent increase in tensile strength compared to the bare CFRP specimens. Damping characteristics were also measured for the weathered specimens, showing decrease in dampin gfactors for both CNF-covered and bare specimens.

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