研究成果報告書(概要)

平成20年度 第27回

研究課題
染色布の日光堅ろう度向上剤開発に関する研究
研究者所属
大阪教育大学 教育学部 教授
研究者氏名
織田 博則
研究期間
平成20年4月1日から平成21年3月末日まで

報告書はこちら(PDF74KB)

研究成果 概要

和文

 近年、紫外線による皮膚障害を防御する意識が高まり、UVカット繊維製品が望まれている。しかし、UVカットは従来の衣服の高密性、厚地、濃色または黒色化する必要があり、これはカット機能を高くすると通気性の低下や保温性の向上を招き、光照射による衣服の劣化による紫外線遮蔽機能の低下も問題となる。そのため、日光堅ろう度に優れた紫外線カット繊維製品の新たな開発が望まれている。この現状の中、ここでは優れた日光堅ろう度向上効果を有する紫外線カット材料の開発と生活環境材料への応用を目的として、ベンゾトリアゾールーベンゾフェノン縮合型紫外線カット素材を合成し、市販のベンゾフェノン系およびベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤と、その効果を検討した。
 光退色抑制効果は、オレンジI、インジゴカルミン、クリスタルバイオレット等染料を用い、tlcセルロース板上、キセノンアーク灯を照射し検討した。また、紫外線防護係数(UPF)の算出は、紫外線カット材料含有酢酸セルロースフィルムを作成し、T%測定後オーストラリア/ニュージランド共同規格(AZ/NZS4399:1996 )の計算式より求めた。
 その結果、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤は第1吸収帯は351nm、ベンゾトリアゾール系は340 nm付近に吸収を持つのに対し、縮合体は333 nmに吸収を持ち、290 nm付近の第2吸収帯は市販紫外線吸収剤の2倍程度の吸収強度を示していた。そのため、UPFはベンゾフェノン系が3.16、ベンゾトリアゾール系が2.88で有るのに対し、縮合体は8.48と3~4倍程度大きい値を示した。また、他の縮合体についても、UPFの値は大きく、身体防護性能に優れる化合物である事が示唆された。
 一方、これら化合物を使いての染料の光退色抑制についても、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の添加の系に比べ、縮合体は優れた抑制効果を示し、縮合型紫外線吸収剤は、オレンジIの退色を約1/2程度に抑制された。また、他の染色系に対しても、同様の挙動を示す事から、縮合型紫外線吸収剤は優れた染色布の耐光改善効果も具備している事が明らかになった。

英文

 Various bennzophenone-bennzotriazol condensed type UV absorbers were prepared, and the protecting effect of these compounds towards the photofading of some dyes was examined on the cellulose plate. The uv-rays blocking property of these compounds was further investigated in cellulose acetate film. It was proposed that the condensed uv absorbers can be applied not only as effective stabilizers against the fading of dyes but also as materials protecting human skin from the harmful uv-rays

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