研究成果報告書(概要)

平成21年度 第28回

研究課題
色素の耐光性改善に関する研究
研究者所属
大阪教育大学 教育学部 教授
研究者氏名
織田 博則
研究期間
平成21年4月1日から平成22年3月末日まで

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研究成果 概要

和文

 色素の耐光性改善を目的として、自動酸化防止剤、一重項酸素脱活性化剤、スパーオキシドイオン脱活性化機能を有する化合物をシアヌルクロライドと反応させることにより、多機能型耐光性改善剤を合成した。その効果については、オレンジIをモデル色素に用い、酢酸セルロースフィルム中、キセノンアーク灯を照射し検討した、その結果、ピペリジノトリアジンーベンゾトリアゾールを母体骨格とするスルファニル酸及びアリールジスルホン酸誘導体は市販品であるヒンダードアミン(2,2,4,4-テトラメチルピペリジン誘導体)添加の系と同程度の抑制効果を示したが、アミノ基のo-位に水酸基を有するアリールスルホン酸誘導体導入化合物が優れた抑制効果を示した。又、自動酸化防止機能と紫外線カット機能を併せ持つ母体骨格にテトラメチルピペリジンやo-ヒドロキシベンゾトリアゾール誘導体を導入した化合物は特に有効であった。
 次に4,4’-ジアミノスチルベンに、上記ベンゾトリアジン誘導体を反応させた化合物についても同様な効果を検討した。その結果、ベンゾトリアジン骨格にo-ヒドロキシベンゾトリアゾールを2分子導入した化合物に比べ、ジアミノスチルベンの両末端にo-ヒドロキシベンゾフェノンートリアジン誘導体を導入した化合物が有効であり、紫外線吸収剤は離れた位置への導入が有効であることが示唆された。
 また、一重項酸素脱活性化効果の付与を目的として、上記化合物のニッケル塩化を行い、その結果についても検討した。その結果、合成した化合物全てについて、ニッケル塩化物は、優れた退色の抑制効果を示したが、特に、ビス(o-ヒドロキシベンゾトリアゾールーベンゾトリアジン 2-フェノール-5-スルホン酸)4,4’-ジアミノスチルベン及び2,2,4,4-テトラメチルピペリジン基、o-ヒドロキシベンゾトリアゾール基とm-ベンゼンジスルホン酸基を有するベンゾトリアジン誘導体のニッケル塩化物はオレンジIの光退色を殆ど完全に抑制した。その為、これら化合物を染色布の耐光性改善剤に1つとして提案する。

英文

 Triazine-arylsulfonates or triazine-stilbene fluorescent brighteners containing the hindered amine antioxidant and o-hydroxybenzotriazole derivatives were prepared, and the protecting effect of these compounds towards the photofading of Orange I was examined on cellulose acetate film.
 The nickel 4,4’-bis(1,3,5-triazin-6-y1)diaminostilbene-2,2’-disulfonate derivatives markedly suppressed the fading rate of this dye. It is proposed the nickel complexes of triazine-stilbene fluorescent brighteners as effective stabilizers against photofading of dyes.

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