研究成果報告書(概要)

平成23年度 第30回

研究課題
腐食環境と塗膜劣化を考慮した鋼構造物の致命的損傷予知技術の開発
研究者所属
九州大学 大学院工学研究院 建設デザイン部門 准教授
研究者氏名
貝沼 重信
研究期間
平成23年4月1日から平成24年3月31日まで

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研究成果 概要

和文

 我国においては,米国などのように,鋼橋の老朽化により人命が奪われた事例はないが,腐食による主部材の致命的損傷や崩落事故が報告されている.このような致命的損傷が維持管理レベルの高い矯梁においても,予知できず,事後対処となることがある.
 構造物を健全かつ安全な状態で供用し,維持管理費を縮減するためには,従来の過不及な維持管理手法を抜本的に見直すことが重要になる.そのためには,構造物の経年劣化を高精度に評価・予測可能で,かつ実用に耐えうる手法を確立する必要がある.
 本研究では,既設構造物に加え,新設構造物も対象として,その損傷の経時性を高精度評価することで,早期に致命的損傷を予知可能とする新技術の開発を最終目的とする.この技術は構造物の部位レベルのミクロ腐食環境と塗膜の経時劣化を的確に評価した上で,鋼部材の経時腐食挙動を予測することで,早期に致命的損傷を予知する技術である.この技術を確立するための第一段階として,本研究では構造物の部位レベルのミクロ腐食環境の高精度な評価手法を確立した上で,腐食環境(腐食電気量)を考慮した時空間統計モデルを構築する.また,このモデルに基づき構造物の部材・部位レベルで致命的損傷を経時性も考慮しながら早期予知する技術を開発することを目的とする.
 本年度は,現在実施中のピンホールおよび線キズを模擬した塗膜劣化モデル試験体の大気暴露試験を継続するとともに,新たに腐食促進試験と実構造物における暴露試験を行い,その試験結果を空間統計分析することで,塗膜劣化の経時挙動を明らかにした.また,各腐食試験で実施する環境モニタリングの結果に基づき,腐食環境が塗膜の経時劣化挙動に及ぼす影響を定量評価した.以上の結果に基づき,腐食環境と塗膜劣化を考慮可能な鋼部材の経時腐食挙動の時空間統計モデルを構築した.

英文

 Severe corrosion damage has been observed in the structural members of various steel bridges. It is important to devise a method of predicting the time-dependent corrosion behavior of the members to ensure the safety of such structures. The final object of this research is to develop a technique of predicting the fatal corrosion damage of structural member for steel structures in the early stage of service. In the first stage of the research, corrosion environment and deterioration of paint coating for structural detail in steel structures were quantitatively evaluated. From these results, spatial statistical model for time-dependence of corrosion behavior was constructed. The model can be considered corrosion environment and deterioration of paint coating.

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