研究成果報告書(概要)

平成23年度 第30回

研究課題
水中のシリカが金属材料の腐食に及ぼす影響に関する研究
研究者所属
室蘭工業大学 もの創造系領域 講師
研究者氏名
境 昌宏
研究期間
平成23年4月1日から平成24年3月31日まで

報告書はこちら(PDF69KB)

研究成果 概要

和文

 河川水や水道水などの淡水中にはシリカ(SiO2)が含まれるが,このシリカが金属材料の腐食に及ぼす影響についてはこれまでのところ,ほとんど研究がなされていない.本研究では水中のシリカが金属材料の腐食に及ぼす影響を調べるため,非晶質シリカをイオン交換水中に溶解させた人工淡水を用いてシ リカと各種金属材料の反応特性を調査した.さらに金属材料のうち,特に銅に焦点を置き,シリカが関与していると言われている銅のマウンドレス型孔食の再現を自然浸漬,電気化学的手法により試みた.各種金属粉末を含むシリカ水中のシリカ濃度は金属種により,その減少速度に違いが見られた.具体的には,Mg,Mn,Fe,Co,Cu,Zn,Pb を含む場合に水中のシリカ濃度が減少することが分かった.特にFeを含む場合にシリカ濃度の減少速度が特に速く,これはFeが水中で腐食する際に,その腐食過程において水中のシリカを取り込んで腐食生成物,いわゆる鉄さびを形成するためと推察された.シリカおよび硫酸,塩化物,重炭酸イオンを含む人工淡水を作製し,その中に銅管を自然浸漬することで銅のマウンドレス型孔食再現を試みた.浸漬から半年後,水中から引き上げた銅管には,マウンドレス型孔食と思われる孔食が発生していた.すなわち,入り口が口を開け,その周囲にガラス状緑青を有する孔食が発生した.孔食周囲のガラス状緑青からはSiが強く検出されることから,マウンドレス型孔食発生には水中のシリカが関与していることが示唆された.電気化学的手法を用いた腐食試験として,銅のマウンドレス型孔食を定電位保持試験により加速再現することを試みた.シリカを含む人工淡水を試験水として用い,150,200mV(Ag/AgCl) の電位を2週間印加したところ,銅管表面にマウンドレス型孔食と類似した孔食が発生した.以上より,(1)水中のシリカは金属の腐食過程においてその腐食生成物に取り込まれること,(2)その反応は金属種よって異なり,特に鉄の場合に顕著であること,(3)銅の場合は取り込まれた腐食生成物が孔食周囲に堆積しマウンドレス型孔食を発生することが分かった.

英文

 The effect of silica in water on corrosion of various metal materials has been investigated by the surface analysis and the electrochemical measurement. The concentration of silica in water containing Mg, Mn, Fe, Co, Cu, Zn, Pb decreased with the elapsed time, especially Fe accelerates the rate of decrease of the concentration of silica. The moundless type pitting corrosion on copper was reproduced by the immersion and the potentiostatically polarized test in the synthetic freshwater containing silica. The moundless type pit occurred on the surface of copper tube after the half-year immersion test and the 2-week potentiostatically polarized test.

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