研究成果報告書(概要)

平成25年度 第32回

研究課題
ニ相ステンレス鋼のすき間腐食におけるすき間内溶液性
研究者所属
早稲田大学 基幹理工学部 機械科学 航空学科 助教
研究者氏名
青木 聡
研究期間
平成25年4月1日から平成26年3月31日まで

報告書はこちら(PDF68KB)

研究成果 概要

和文

 本研究では,二相ステンレス鋼のすき間腐食におけるすき間内部のpH,および塩化物イオン濃度の経時変化を明らかにすることを目的とした.定電位保持により二相ステンレス鋼にすき間腐食を発生,成長させ,光学顕微鏡を用いて,100~300の倍率で腐食部の観察を行った.その際のすき間内部の局所領域ごとのpHの経時変化をセンシングプレートを用いて測定した.センシングプレートの塗布剤の変色具合からすき間内のpHを測定した.また,そのpH実測値より塩化物イオン濃度の値を算出した.発生箇所からすき間外縁方向へ3mmの観察点では,はじめはすき間腐食が観察されず視野全体のセンシングプレートの塗布剤は青かった.この視野では全体的にpH1以上である事が確認された.このようなpHの状態が試験開始後30分まで続いた.その後,すき間奥から開口部へと徐々に青から黄緑へと変色し,pHが低下し始めた.試験開始35分後の時点でpHが0.9程度となった.すき間腐食部の先端が到達する直前の60分後にはpH0.5まで低下した.この値は脱不働態化pH(0.7)を下回っていたことから,すき間腐食直前では試料が脱不働態化するには十分な過酷な環境になっていることが明らかとなった.このpHの低下を追いかけるように腐食がすき間開放部へと広がった.その際に従来の定電位すき間腐食試験in-situ観察と同様に腐食先端部においては黒く島状に変色した箇所が磁認され,すき間開口部へと移動する気泡が観察された,黒く島状に変色している箇所はγ相の優先溶解であると考えられる.本試験で明らかにしたすき間内のpHの経時変化に基づき塩化物イオン濃度の経時変化を推察できる.本試験ではすき間内溶液のpH0.7前後まで低下したが,これから塩化物イオン濃度はおよそ4.4mol/L程度となる.すき間腐食成長段階ではすき間内腐食環境のpH低下に伴い,塩化物イオン濃度がこのような値まで濃縮し腐食が成長していることが考えられる.

英文

 The objective of this study is to clarify solution pH and chloride concentration inside corroding crevice by means of in-situ Microscopic observation with sensing plate. The crevice corrosion initiated directly just beneath the edge of Ti washer, it grew toward the edge of the crevice with time. On the early stage of the crevice corrosion growth (after 35 min), the solution pH at passive region near the corroded area inside the crevice was 0.9. It lowered to 0.5 at 60 min later the test started. And then, the crevice corrosion dissolution propagated over this region. At that time, chloride concentration around this area (about pH 0.7) was conjectured about 4.4mol/L based on the liner relationship between pH and chloride concentration.

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