研究成果報告書(概要)

平成25年度 第32回

研究課題
鋼橋用Al-Mg溶射皮膜の微視構造制御による耐食性向上機構の解明
研究者所属
長岡技術科学大学 システム安全系 講師
研究者氏名
大塚 雄市
研究期間
平成25年4月1日から平成26年3月31日まで

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研究成果 概要

和文

 高速道路などの鋼橋の防錆に用いられる溶射皮膜は従来Al皮膜、Al-Zn皮膜が用いられてきたが、近年Al-Mg溶射皮膜の適用が急拡大している。しかしながら、Al-Mg溶射皮膜が環境中暴露試験においてより高い耐久性を示す機構は不明のままであり、現状ではその耐久性を定量的に予測することが不可能であるため、保全計画を立てる際の支障である。そこで、Al-Mg溶射皮膜が,従来のAl-Zn溶射皮膜に比してなぜ耐食性が高いのかを,その微視構造の違いがもたらす機械的性質,電気化学的性質の差に着目して解明する.実施計画として(1)溶射条件の最適化,(2)皮膜の微視組織観察,(3)皮膜の耐食性試験,(4)皮膜の腐食疲労試験を実施した.微視構造観察からはMgの偏析は見られず,またMgは固溶していることが明らかになった.そして,膜厚の増加に伴いMgの含有量が増加することを明らかにした.そしてスプラット界面はアルミニウム酸化物が被覆している場合があること,溶射皮膜と基材の界面においては金属間化合物および基材酸化物層の顕著な成長は見られないことを明らかにした.皮膜の電気化学試験を実施し,溶射皮膜の自然電位および腐食電位は,膜厚の増加に伴って単調に低下しており,これはEDX分析結果におけるMg含有量の増加と対応していることを示した.Mg含有量の差については,顕著な差は得られなかった.皮膜の腐食疲労試験として大気中及び人工海水(3.5wt% NaCl水溶液)中で疲労試験を実施した結果,溶射皮膜のはく離進展挙動は溶射皮膜内部の界面近傍を進展すること,人工海水により3倍以上にき裂進展速度が増加することを示した.

英文

 The effect of microstructure on corrosion fatigue behavior of Al-Mg coating layer was investigated. Microstructural analyses revealed that intermetallic compound was not generated at the interface and only alminium oxide was formed on the surface of molten splat. Corrosion potential was decreased with increasing in the thickness of coating, which corresponds to the increase in atomic concentration of Mg. Corrosion fatigue test was conducted in artificial sea water environment. Interfacial crack growth rate of Al-Mg coating layer became significantly higher in NaCl aq. Environment. The preliminary result showed that Mg concentration weakens the corrosion resistance of Al-Mg coating layer, Further investigation is necessary to the effect of Mg concentration.

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