研究成果報告書(概要)

平成25年度 第32回

研究課題
光励起-発光計測による耐光性評価法の確立
研究者所属
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター 開発本部開発第二部 環境技術グループ 副主任研究員
研究者氏名
杉森 博和
研究期間
平成25年4月1日から平成26年3月31日まで

報告書はこちら(PDF67KB)

研究成果 概要

和文

 高分子材料の耐光性評価は、太陽光などの光があたる使用条件で高分子材料を含有する製品の効果がどの程度持続するのかを把握する上で重要である。耐光性評価は、キセノンランプやカーボンアーク灯を利用した促進耐光試験と強度試験や分光測色などの劣化評価法を組み合わせて実施する方法が一般的であるが、初期の光劣化を検出することが困難で、評価全体に時間がかかる問題がある。本研究では、高分子材料の表面に紫外線レーザー光を照射し、励起される発光の量とスペクトルを解析することにより劣化の度合いを評価する手法の検討を行った。この方法は1試料の測定に要する時間がわずか数分と非常に迅速であり、複数試料を連続して測定することが可能である。実験では、測定試料として酸化防止剤などの添加剤の含有量が異なるポリプロピレンやポリエチレンなどを用い、光照射前と種々の紫外線光源を一定時間照射したあとの試料について評価した。高分子材料に紫外線レーザー光を照射すると可視光の波長域に発光が観測されるが、この発光量と発光スペクトルは材料によって異なり、また同じポリプロピレンでも添加剤の違いによって結果が異なった。事前に紫外線を照射した高分子材料については、ほとんどの材料で紫外線の照射時間に伴い発光量の減少が確認され、その変化は紫外線蛍光灯のような放射照度の低い光を10分程度照射したときでも検出することが可能であった。今回の実験より、紫外線レーザー光励起-発光計測による高分子材料の劣化評価法は、短い時間の促進耐光試験で劣化を評価でき、かつ測定自体も短時間で済むため、高分子材料の迅速な光劣化評価方法として非常に有用であることがわかった。一方、光劣化のメカニズムと紫外線レーザー光により励起される発光の量、スペクトルの関係についてはいまだ不明な部分も多く、今後さらなる実験によるこの点の解明が、光劣化評価方法としての確立に向けた課題であるといえる。

英文

 Luminescence induced by ultraviolet (UV) laser irradiation is measured to evaluate the degradation of polymers. Visible light emission is observed from polyolefins which contain different amount of additives during the UV laser irradiation, and the intensities and spectra of the luminescence are different depending on the samples. Polypropylene samples irradiated by the light from a UV lamp before the measurements emit weaker light than the fresh ones. This method can detect the initial degradation of polymers like a measurement by chemiluminescence induced by sample heating.

お問い合わせはこちらまで

公益財団法人
スガウェザリング技術振興財団 事務局
お問い合わせフォーム

  • TEL:03-3354-5248
  • FAX:03-3353-4753
ページの一番上に戻る