研究成果報告書(概要)

平成25年度 第32回

研究課題
高耐食Zn-Ni複合めっきの開発
研究者所属
現 広島工業大学 工学部 機械システム工学科 教授
元 岡山県工業技術センター 技術支援部 部長
研究者氏名
日野 実
研究期間
平成25年4月1日から平成26年3月31日まで

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研究成果 概要

和文

 鉄鋼材料は、安価で加工性に富み、基幹素材として最も広く適用されているが、腐食環境下では容易に赤さびが発生し、強度低下などの性能低下を招く。そのため、長期信頼性の観点から犠牲防食能を有する亜鉛めっきあるいは亜鉛系合金めっきが広く適用されている。亜鉛めっきは、安価で技術的にも成熟していることから、現在、国内において適用されている様々なめっきの中で最も多く用いられている。一方、亜鉛のクラーク数は0.004%と極めて少なく、資源の枯渇が懸念されている。現在のペースのまま消費し続けると、亜鉛は20年以内に枯渇するという報告もある。
 そこで、本研究では、亜鉛の枯渇問題に対応するため、耐食性に優れた硫酸酸性浴によるZn-Ni合金めっきについて、めっき皮膜の均一析出性に及ぼすシリカ共析の影響を明らかにし、薄膜化による亜鉛の省資源ならびに省エネルギーの可能性を検討した。
 その結果、Zn-Ni合金めっき浴中のSiO2ナノ粒子は、ニッケルイオンを優先的に吸着し、カチオンとして電解によって陰極表面に泳動し、析出核として働き、めっき膜を均一析出へと導くことがわかった。また、陰極表面に泳動したSiO2ナノ粒子は、水素イオンの還元を誘引し、陰極界面でのpHの上昇によって亜鉛が優先的に析出する異常共析を促進させる作用も有することが判明した。さらに、Zn-Ni-SiO2複合めっきは、均一な皮膜析出および皮膜表面に形成されるシリカリッチ層によって亜鉛めっきはもとよりZn-Ni合金めっきよりも良好な耐食性が得られることがわかった。そのためZn-Ni-SiO2複合めっきを適用することでめっきの薄膜化が可能になり、それによる亜鉛使用量の抑制、めっき時間の短縮および消費電力の削減が期待できる。

英文

 Zinc-nickel- SiO2 electrodeposits have been produced from an acid sulphate bath. The co-deposition behavior of SiO2 and the macrothrowing power of platings were examined. The presence of SiO2 nanoparticles in the plating bath appears to change the alloy deposition behavior. The rate of nickel deposition was considerably decreased with SiO2 nanoparticles in the bath. The macrothrowing power of plating was improved by adding the SiO2 nanoparticles in the bath. At an early stage of electrodeposition, it seems that the SiO2 nanoparticle acts as a nucleus of the precipitation. In addition, this SiO2 rich layer can improve the anticorrosive performance. Therefore, the zincic use can be suppressed, because the film thickness can be more thinned, compared with zinc and zinc-nickel alloy electroplating.

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