研究成果報告書(概要)

平成26年度 第33回

研究課題
鋼橋用Al-Mg溶射皮膜の腐食疲労はく離寿命評価モデルの開発
研究者所属
長岡技術科学大学
研究者氏名
大塚雄市
研究期間
平成26年4月1日から平成27年3月31日まで

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研究成果 概要

和文

 本研究では,鋼橋の防錆用に用いられるAl-Mg溶射皮膜のMg添加量の違いに基づく腐食環境下での耐久性予測モデルを構築することを目的とした.高速道路の鋼橋は防錆のためAl溶射皮膜が形成されている.これらの溶射皮膜の耐食性は、犠牲陽極(鋼本体よりも腐食電位を低く保持することで、塩化物イオンや水分などに接した時、皮膜が先に腐食することで本体の腐食を防止する機構)による.しかし、実環境における温度差、海岸沿いなどの高塩分濃度の大気や水分など過酷な環境では皮膜の腐食速度が大きく、かつ皮膜の割れなども発生するため耐食性能を保持することが出来ない.近年,Alに数%のMgを混合した粉末を溶射した,Al-Mg溶射皮膜の適用が進んでいる.同皮膜は従来よりも耐食性が良いとされているが、その耐食性向上のメカニズムについては不明な点が多い.4点曲げ試験を異なるMg添加量のAl-Mg溶射皮膜について実施した結果,Mg添加量が高い場合,腐食の影響が少ない人工海水への暴露初期のみ強度が高くなるが,暴露期間が長くなると強度は同様となることを示した.電気化学的特性については,Mg添加量に関係なくMgの溶出による特性のみを示すことを明らかにした.Al―Mg溶射皮膜の繰返し荷重による割れ,はく離居移動については界面の影響を考慮した破壊力学的パラメータを用いることで疲労き裂進展寿命が計算できることを明らかにした.そして,Mg添加量が多いほど疲労き裂進展速度が高く,その結果としてMg添加量が多い場合繰返し荷重による耐久性が低下することを始めて明らかにした.破壊力学的パラメータを用いた皮膜の耐久性予測モデルを構築し,既存の鋼橋における負荷水準における疲労・はく離寿命予測を実施した.そして,Mg添加量が皮膜の耐久性に及ぼす影響は,電気化学的な特性ではなく,破壊靭性などの機械的性質の影響で説明できることを明らかにした.

英文

 This study aims at observing the effects of Mg concentration on corrosion fatigue of Al-Mg coating layer on SS400. Four-points bending (4PB) test showed that the higher concentrations of Mg in coating had higher coating strength. The results of cyclic tests demonstrated that Al-Mg coating of higher Mg concentration showed higher delamination rate in both air and NaCl aq conditions. In addition, crack growth rates and delamination rates showed decreasing with increasing their lengths. By using fracture mechanics parameters strain energy release rate,ΔG and stress intensity factor range ΔK, Delamination and cracking lives of Al-Mg coating are successfully predicted.

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