研究成果報告書(概要)

平成26年度 第33回

研究課題
耐光堅牢性に優れる構造色による繊維の新規着色法に関する研究
研究者所属
福井大学大学院工学研究科繊維先端工学専攻
研究者氏名
廣垣和正
研究期間
平成26年4月1日から平成27年3月31日まで

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研究成果 概要

和文

 構造色は微細な構造と光の相互作用による発色現象であり、有機色素である染料が光照射下で分解して退色が進むのに対し、その構造が保たれる限り退色しない。構造色により繊維を着色できれば、高い耐光堅牢性が期待でき色素色にない光沢や採光を伴う優美な色彩を付与できる。本研究は微細な規則構造を持つコロイド結晶を鋳型として繊維表面に構造性発色構造を形成する新規着色法の開発を目的とした。ポリエステル繊維にシリカコロイド水分散液をディップコートした後に乾燥させ、繊維表面にコロイド結晶を形成した。この際、繊維表面の性質が形成される結晶構造に及ぼす影響および、結晶構造が繊維の発色性に及ぼす影響を検討した。表面加工により、繊維の濡れ性や表面電荷を変化させることで、繊維表面のコロイド堆積層の結晶化度や結晶格子を制御でき、繊維の色や発色の強さを調整できることを見出した。直径310 nmのシリカ粒子を用いて、表面にコロイド結晶を形成した繊維の拡散反射光は、640 nmにピークを示し6%を超える反射率が得られ、目視および光学顕微鏡観察により光輝く赤色の発色が確認できた。繊維表面に形成したコロイド結晶を内包する繊維と一体となった高分子層の形成法について、ポリエステルフィルムを繊維のモデルに用いて検討した。基材表面上に規則配列したコロイド粒子間にモノマー溶液を浸透させ、プラズマグラフト重合および光重合を併用し、構造色を発するアクリル酸エラストマー層を基材表面に形成できた。この基材の正反射光は、コロイド結晶を形成したのみの基材と比べて結晶の屈折率変化から波長が長波長側にシフトしたが反射率は同程度であった。現在、得られた知見を基に構造発色繊維を調製し、耐光堅牢性の評価を進めている。

英文

 Structural coloration of a fiber was investigated to prepare a fiber having high color fastness to light. A polyester fiber was used as the substrate for the structural colored fiber. Colloidal crystal reflecting light selectively was constructed on the fiber surface through the dip-coating of colloidal suspension. Interesting was that the crystalline structure was controlled by the surface charge and wettability of the substrate, which leaded to the color tuning. The crystalline structure on the substrate was fixed with the elastomer through photo-polymerization of the monomer penetrating in the crystal on the substrate treated with oxygen plasma. The flexible layer of elastomer fixed on the substrate exhibited structural color.

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