研究成果報告書(概要)

平成27年度 第34回

研究課題
炭素繊維強化複合材料の疲労特性への時間―温度換算則の適用
研究者所属
埼玉大学 研究機構研究企画推進室 准教授
研究者氏名
坂井 建宣
研究期間
平成27年4月1日から平成28年3月31日まで

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研究成果 概要

和文

 炭素繊維強化複合材料(CFRP)の高温環境下における疲労特性の時間-温度換算則の適用を試みるためには、あらかじめ粘弾性特性を把握する必要がある。本研究は動的粘弾性試験を行うことによって明らかにした。なお、DSC試験については、動的粘弾性試験結果から、硬化に関する未反応基の影響が確認されなかったことから、行う必要がないと判断した。結果は、195℃付近にガラス転移温度が見られ、この温度を境に物性が大きく変化することが明らかとなった。また、190℃以下の温度においては、温度に対して線形的に貯蔵弾性率の減少、損失弾性率の増加がみられ、温度に対して安定した変化を示すことが明らかとなったことから、190℃以下の温度条件において時間-温度換算則の適用が可能であることが示唆された。

 続いてモデル材(一方向性積層板)を用いて、アコースティック・エミッション法を用いた静的引張試験を行い、周波数特性と損傷の種類の同定を行った。これにより、樹脂割れ、層間はく離、繊維破断により発生したAEを区別することが可能となった。

 一般的な複合材料は疑似等方性積層板を用いていることが多いが、45゚層に関する検討を行っていないため、本研究では直交異方性材料を用いて損傷蓄積過程を明らかにした。使用した試験片の積層構成は、[0/90]6Sとし、外側が0°層のものについて検討を行った。

 その場観察およびAE情報より、低応力時はトランスバースクラックの発生がみられ、そのトランスバースクラックの進展、層間はく離に発展し、その後繊維破断に至ることが明らかとなり、それに対応したAE周波数が明らかになった。以上の情報を用いることで、今後は、どの損傷が温度の影響を受けやすいか、などの検討をするとともに、累積AEエネルギなどの情報と疲労試験による剛性低下の関係を明らかにする。

英文

 The thermal viscoelastic properties of CFRP and the damage accumulation processes were investigated using Dynamic Mechanical Analysis and Acoustic Emission techniques, respectively. The thermal viscoelastic properties showed the material are softened over 195℃. And the damage accumulation behavior was monitored by AE method, and the detected AE signals’ frequency of 150-300kHz showed the resin crack, 700 kHz was corresponded to the delamination of CFRP and the fiber breaking corresponded to the frequency of 1000 kHz. Therefore, the information of AE behavior should show the fracture accumulation process of CFRP.

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