研究成果報告書(概要)

平成27年度 第34回

研究課題
二酸化錫膜の酢酸腐食を利用した太陽電池モジュール内微量酢酸検出センサの開発
研究者所属
東京農工大学 大学院工学府 機械システム工学科
研究者氏名
長﨑 秀昭
研究期間
平成27年4月1日から平成28年3月31日まで

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研究成果 概要

和文

 本研究では、二酸化錫膜の酢酸腐食による膜誘電率変化と金ナノ粒子の局在表面プラズモン共鳴(LSPR)を利用した屋内加速試験中の太陽電池モジュール内で発生する微量酢酸を非破壊・高感度・定量分析可能な酢酸検出センサの開発を行った。

 まず、ミー散乱理論を用いて金ナノ粒子構造の最適化を行った。理論計算より、金ナノ粒子直径によりLSPR波長変化量およびLSPRのQ値が異なることが分かった。また、両者はトレードオフの関係にあり、最適な金ナノ粒子直径は60~80 nmであることを明らかにした。

 次に、ガラス基板へ金を約5 nmスパッタ成膜し、温度550℃、10時間アニールすることで、金ナノ粒子を製作した。製作した金ナノ粒子の直径は約60 nmである。その上に、二酸化錫膜30 nmを抵抗加熱蒸着により製膜しLSPR酢酸検出センサを製作した。

 最後に、製作したLSPRセンサの酢酸検出特性を濃度1%、0.1%の酢酸水溶液を用いて評価した。LSPRセンサを各水溶液に浸漬し温度85℃で連続加熱を行い、30分毎にLSPRセンサの反射率スペクトルを測定した。その結果、1%酢酸水溶液で185 nm、0.1%酢酸水溶液で170 nmのLSPR波長シフトが得られた。また、製作したセンサの検出選択性能を評価するため、脱イオン水を用いて同様に評価した。本センサは室温では脱イオン水と反応しないが、温度85℃環境下では高温水腐食に因るLSPR波長シフトが確認された。そのため、低濃度酢酸検出時には水による高温水腐食の影響が重畳することが分かった。高感度酢酸検出を達成するためには、二酸化錫膜に替わる酢酸に対して検出選択性を有する膜材料の探索・改善が必要である。

英文

 The concentration of acetic acid in the photovoltaic (PV) modules using ethylene vinyl acetate (EVA) copolymer encapsulant is a strong indicator of PV modules degradation. We developed the acetic acid detection sensor using the localized surface plasmon resonance (LSPR) for nondestructive acetic acid detection in PV modules. The sensor was composed with glass substrate, diameter of 60 nm gold nanoparticles and thickness of 30 nm-tin dioxide film. The LSPR wavelength was shifted from 800 nm to 630 nm when dipped in 0.1% acetic acid aqueous solution at 85°C heating chamber. The sensor showed different LSPR wavelength shifts with 0.1%, 1% concentration of acetic acid aqueous solution, and deionized water.

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