研究成果報告書(概要)

平成27年度 第34回

研究課題
塗布型有機薄膜太陽電池の耐候性に関する研究
研究者所属
京都大学 化学研究所
研究者氏名
福島 達也
研究期間
平成27年4月1日から平成28年3月31日まで

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研究成果 概要

和文

 低コストなエネルギーデバイスとして注目を集めている塗布型有機薄膜太陽電池の耐候性に関する報告例は少ない。本研究では、poly[[4,8-bis(2-ethylhexyl)oxy]benzo[1,2-b:4,5-b’]dithiophene-2,6-diyl][3-fluoro-2-[(2-ehtylhexyl)carbonyl]thieno[3,4-b]thiophene-4,6-diyl] (PTB7) / [6,6]-phenyl-C71- butyric acid methyl ester (PC71BM) 混合系からなる塗布型有機薄膜太陽電池に対して、耐候試験による素子劣化を検討するとともに、その劣化メカニズムの解明を目指した。まず、溶液プロセスの最適化により、変換効率6.5%程度の素子が得られた。その素子に対して、JIS規格に基づく耐候試験(A5試験:255 W/m2、500時間、ブラックパネル温度 63oC、相対湿度50%RH)を実施した結果、変換効率は0%近くにまで低下した。次に、素子の劣化メカニズム解明を目的として、主に走査型プローブ顕微鏡(SPM)、紫外可視(UV-vis)吸収スペクトル測定、固体核磁気共鳴法(固体NMR)による解析を行った。SPMによる表面形状観察において、耐候試験前後に大きな違いが見られず、特性の大幅な低下はモルフォロジーの変化が主要因ではないと考えられる。また、UV-vis吸収スペクトルにおいても、ほぼ変化しておらず、PTB7の主鎖およびPC71BMの主骨格に大きな変化はないと考えられる。加えて、この結果から耐候試験後における変換効率の大幅な低下の原因が光吸収過程ではないことも確認できた。次に、分子レベルでの変化をより詳細に検討するために、固体13C DD/MAS NMR測定を行った。その結果、PTB7のカルボニル炭素、エーテル結合部位および側鎖の共鳴線が減少していることが確認できた。以上の結果から、耐候試験によりモルフォロジーやPTB7の主鎖およびPC71BMの主骨格に大きな変化はないが、PTB7のエステル結合、エーテル結合が分解され、側鎖が主鎖から脱離することが実験的に明らかとなった。

英文

 Solution-processed organic solar cells (OSCs) have attracted much attention as new-generation solar cells with low-cost, flexible, and lightweight. In this study, we have investigated a weather resistance of solution-processed OSCs. We fabricated OSCs consisting of a PTB7/PC71BM system and performed the weather resistance tests for the OSCs. In the tests, power conversion efficiencies of OSCs significantly decreased. To reveal the origin, we analyzed the material degradation in OSCs by mainly solid-state NMR experiments. We found that cleavages of side-chains in PTB7 occurs by the weather resistance tests.

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