研究成果報告書(概要)

平成27年度 第34回

研究課題
Mg-Li系合金のAl添加による耐食性向上
研究者所属
関西大学 化学生命工学部 化学・物質工学科
研究者氏名
森重 大樹
研究期間
平成27年4月1日から平成28年3月31日まで

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研究成果 概要

和文

 マグネシウム合金は、軽量で高強度を有する軽金属材料として、構造材料への適用が進んでいる。しかし、冷間加工性に乏しいため、薄板の製造が困難であるという問題もあり、適用分野が制限されている。

 そこで、マグネシウムにさらに軽量であるリチウムを添加すると、結晶構造がBCCであるLi固溶体を母相とする合金となるため、室温においても薄板への加工が可能となる。このMg-Li系合金はLiを多く含む合金であるため、従来のMg合金に比べてさらに軽量であるが、耐食性は非常に悪い合金となる。

 特に冷間加工材において、腐食が進行することで、加工によって変形した内部組織に沿って剥離腐食が発生する。本研究では、母材の耐食性を向上させることで剥離腐食の発生を抑制することを目的とし、Alの添加量を制御することにより、耐食性へ及ぼす影響を詳細に検討した。Mg-14 mass%Li合金を基本組成とし、Alを0~5 mass%添加した試料を750 ºCにてArガス雰囲気下で溶製し、ミクロ組織および腐食特性の評価を行った。その結果、3 mass%以下のAl添加量の増加に伴い腐食速度は低下し、耐食性が向上するが、3 mass%以上の過剰なAl含有量の合金では、耐食性が悪化することが明らかとなった。

 Mg-14 mass%Li合金にAlを添加した場合、室温でのAlの固溶限は2~3 mass%であり、過剰なAlの添加ではAlLi金属間化合物相が形成する。AlLi金属間化合物単相となるAl-Li合金の溶製を行い、その腐食電位を測定したところ、Mg-14 mass%Li単相合金の腐食電位に比べて卑であった。このことから、AlLi相が存在する組成のMg-Li-Al合金では、Alを固溶したbcc-Mg母相がカソード、第2相であるAlLi相がアノードとして腐食が生じていることが示唆された。これにより、Al添加量が増えるにつれて腐食速度は低下するが、AlLi相の過剰の存在下では、耐食性が低下することが明らかとなった。また、AlLi相が存在しない状態では、母相内へのAl固溶量が増加することで腐食電位が貴となり、腐食速度が低下すると考えられる。以上のことから、Mg-Li-Al合金の耐食性向上には、母相内へのAlの固溶とAlLi相としての第2相の晶出を制御することが重要であり、Mg-Li系合金の耐食性向上に向けた合金組成の基本的指針を得ることができた。

英文

 Mg-Li system alloys have excellent workability that conventional hcp-structured Mg alloys do not have. However Mg-Li alloys are poor corrosion resistance, especially cold-rolled sheet bring exfoliation corrosion. In this study, to improve the corrosion resistance, the optimization of Al composition in Mg-Li alloy was investigated. As a result, the corrosion rate was decreased with increasing Al content until about 3 mass%. Al solubility in Mg-14 mass% Li alloy is about 2-3 mass%, therefore the noble matrix phase could be improved the corrosion property.

 On the other hand, excess addition of Al causes precipitation of AlLi intermetallic phase. This phase have less noble potential than bcc-Mg matrix phase. It suggested that these precipitates bring the degradation of Mg-Li-Al alloy.

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