スガウェザリング技術振興財団
第31回 表彰・第32回 研究助成 贈呈式

(公財)スガウェザリング技術振興財団では、毎年ウェザリングの研究について、著しい成果を上げられた方の表彰・研究助成を行っています。今年も多数の応募の中から厳正な審査の結果、第31回表彰3件、第32回研究助成先7件を決定し、今春、贈呈式が盛大に執り行われました。

スガウェザリング技術振興財団 第30回 表彰 ・ 第31回 研究助成 贈呈式・記念祝賀会
藤木 完治 文部科学審議官 須賀茂雄 専務理事 春山 志郎 審査委員長
藤木 完治 文部科学審議官 須賀 茂雄 専務理事 春山 志郎 審査委員長

平成25年4月24日(水) 11時20分~12時 東海大学校友会館

開会にあたり、須賀茂雄専務理事(スガ試験機(株)代表取締役社長)の挨拶、春山志郎審査委員長(東京工業大学名誉教授)の審査報告に続き、表彰並びに研究助成の贈呈が行われ、藤木完治文部科学審議官にご祝辞を戴きました。
引き続いての記念祝賀会では、春山志郎理事長が財団を代表しご挨拶、受賞者を代表し高柳敬志氏(旭硝子(株))が受賞の喜びと各方面への感謝の辞を述べ、須賀茂雄専務理事の発声で乾杯をしました。
130名を越える方々でにぎやかな祝賀会となり、受賞者の栄を讃えました。
第1回(昭和57年)より今回で、表彰は団体15件、個人146人、研究助成は220件を数えます。

記念祝賀会

春山 志郎 理事長 高柳 敬志 様
春山 志郎 理事長 高柳 敬志 様
須賀 茂雄 専務理事 祝賀会会場の様子
須賀 茂雄 専務理事 祝賀会会場の様子

第31回(平成24年度) 財団表彰

科学技術賞(個人)

高柳 敬志
高柳 敬志
旭硝子(株) 化学品カンパニー 主幹
一連の塗料用ふっ素樹脂の開発、応用、評価研究および市場形成
高柳敬志氏は、世界で初めての常温施工可能な溶剤可溶型ふっ素樹脂を開発した。材料ばかりでなく応用処方も提供し塗装仕様、低汚染性など付加機能を進化・提供した。また30年間に及ぶ追跡調査をはじめウェザリング関連促進試験・屋外暴露および高度な評価・検討を実施しその高耐久性を実証した。 また建築・土木関係公官庁、研究所、民間建設業団体・学協会との連携により、性能および経済効果を評価確認し広く市場に浸透させた。
これらの成果は、開発から市場形成までの全期間で業界・社会に対し多大な貢献をしている。

特別技術功労賞

坂 志朗
坂 志朗
京都大学大学院 エネルギー科学研究科 教授
木質バイオマスのゾルーゲル法によるロングライフ化に関する研究
坂志朗氏の研究は、木質系バイオマスの成分劣化などの欠点を改良し、ウェザリング技術としての耐劣化性の向上などの新たな機能の発現を目指したゾルーゲル法による木質バイオマスのロングライフ(長寿命)化に関するもので、長年の基盤研究成果をもとにまとめ上げており、これまで数々の賞を受けていている。これらの成果は、急速に進行する地球環境の破壊と異状気象などの地球の温暖化の抑制の一助となる研究として期待されている。

特別技術功労賞

西方 篤 水流 徹
大気腐食速度の電気化学的計測システムの開発
西方篤・水流徹両氏は、大気腐食環境での電気化学的測定法を確立し、その手法を、耐候性鋼、ステンレス鋼、表面処理鋼板および塗装鋼板の大気腐食の基礎研究に適用し多くの成果をあげている。さらに、実大気環境において、耐候性鋼やステンレス鋼の大気腐食のモニタリングに同手法を応用し、大気腐食の電気化学的モニタリング手法を確立した。これらの成果は、鉄鋼材料の大気腐食の研究に多大な貢献をしている。
西方 篤
東京工業大学大学院
理工学研究科
物質科学専攻 教授
水流 徹
東京工業大学
名誉教授

第32回(平成25年度)研究助成贈呈者

青木 聡
青木 聡
早稲田大学 基幹理工学部 機械科学・航空学科 助教
ニ相ステンレス鋼のすき間腐食におけるすき間内溶液性
本研究は、二相ステンレス鋼のすき間腐食におけるすき間内部の腐食環境のパラメーターとして、pH、および塩化物イオン濃度を局所領域ごとに測定すること、またすき間腐食発生/成長過程におけるそれらの経時変化を明らかにすることにより、すき間腐食機構解明の一助にすることを目的とする。
大塚 雄市
大塚 雄市
長岡技術科学大学 システム安全系 講師
鋼橋用Al-Mg溶射皮膜の微視構造制御による耐食性向上機構の解明
本研究は、鋼橋の防錆用に用いるAl-Mg溶射皮膜が、従来のAl-Zn溶射皮膜に比してなぜ耐食性が高いのかを、その微視構造の違いがもたらす機械的性質、電気化学的性質の差に着目して解明することを目的とする。
本成果は学術的には皮膜微視構造と耐食性との関連を明確にすることが有意義であり、実用的には皮膜耐久性の向上に資する知見を提供することができる。
興戸 正純
興戸 正純
名古屋大学 エコトピア科学研究所 教授
マグネシウム合金の環境調和型表面処理法の開発
マグネシウム合金は軽量、高強度であり運送機器部品等への応用が期待されているが、世界規模での生産量と価格はアルミニウムの1500万トン(300億US$)と比較して53万トン(10億US$)に留まっており、製造現場での問題点は難加工性と耐食性付与技術にある。本研究は、工業化を見据えた安価で安全な表面処理法すなわち環境負荷の少ない浴を用いた陽極酸化、化成処理の新規プロセスの開発を目的とする。
押川 渡
押川 渡
琉球大学 工学部 機械システム工学科 准教授
鋼橋の腐食に及ぼす環境因子の定量的評価
鋼橋などの鋼構造物の腐食には温度、湿度、塩分が影響を及ぼす。降雨の洗浄作用が期待できない橋桁内では特に付着塩分の影響が大きい。本研究は、塩分除去のための洗浄を行う時期や、保守管理上の塩分量のレベルを明らかにするために、腐食に及ぼす塩分の影響および温度と湿度の影響を個別に検討することを目的とする。
杉森 博和
杉森 博和
(地独)東京都立産業技術研究センター 開発本部開発第二部 環境技術グループ 副主任研究員
光励起-発光計測による耐光性評価法の確立
高分子材料の耐光性を迅速・簡便に評価する手法の開発は、製品開発の時間短縮に直結するため、ウェザリング技術における重要な課題の一つである。本研究は、レーザー光によって高分子材料の表面から発光を励起し、その発光量と発光スペクトルから材料の耐光性を評価する手法を確立することを目的とする。
日野 実
日野 実
元 岡山県工業技術センター 技術支援部 部長
現 広島工業大学 工学部 機械システム工学科 教授
高耐食Zn-Ni複合めっきの開発
鉄鋼材料は腐食環境下で赤さびが生じるため、長期信頼性の観点から犠牲防食能を有する亜鉛めっきが適用されている。一方、亜鉛の埋蔵量は多くないため、資源の枯渇が懸念されている。本研究は、亜鉛の枯渇問題に対応するため、耐食性に優れたZn-Ni複合めっきを開発することを目的とする。
丸山 俊夫
丸山 俊夫
東京工業大学 理事・副学長
2013 Gordon Research Conference on High Temperature Corrosion
高温腐食に関するゴードン研究会議2013開催
本国際学会は、世界で最も権威の在る研究会議で、特に腐食に関する会議は70年の歴史を有している。丸山俊夫氏は、この度日本人としてはじめて委員長に選出された。
本助成は、本国際学会の開催支援を目的とする。

(肩書きは受賞当時・敬称略)