スガウェザリング技術振興財団
第34回 表彰・第35回 研究助成 贈呈式

(公財)スガウェザリング技術振興財団では、毎年ウェザリングの研究について、著しい成果を上げられた方の表彰・研究助成を行っています。今年も多数の応 募の中から厳正な審査の結果、第34回表彰2件、第35回研究助成先9件を決定し、今春、贈呈式が盛大に執り行われました。

スガウェザリング技術振興財団 第33回 表彰・第34回 研究助成 贈呈式・記念祝賀会
安藤慶明 文部科学大臣官房 須賀茂雄 専務理事 春山 志郎 審査委員長
生川 浩史 文部科学省大臣官房審議官 須賀 茂雄 理事長 水流 徹 審査委員

平成28年4月26日(火) 11時20分~12時 東海大学校友会館

開会にあたり、須賀茂雄理事長(スガ試験機(株)代表取締役社長)の挨拶、水流 徹審査委員(東京工業大学 名誉教授)の審査報告に続き、表彰並びに研究助成の贈呈が行われ、生川浩史文部科学省大臣官房審議官にご祝辞を戴きました。
引き続いての記念祝賀会では、財団を代表し飯塚幸三評議員会議長、受賞者を代表し里見多一氏(日本パーカライジング株式会社代表取締役社長)がご挨拶をし、須賀茂雄理事長の発声で乾杯をしました。120名を越える方々でにぎやかな祝賀会となり、受賞者の栄を讃えました。第1回(昭和57年)より今回で、表彰は団体15件、個人153人、研究助成は243件を数えます。

記念祝賀会

飯塚 幸三 評議員 吉田 公一 様
飯塚 幸三 評議員会議長 里見 多一氏
伊藤叡 評議員 祝賀会会場の様子
須賀 茂雄 理事長 祝賀会会場の様子

第34回(平成27年度) 財団表彰

科学技術賞(個人)

恩田 智士
里見多一
日本パーカライジング㈱ 代表取締役社長
ウェザリング技術を基盤としたクロムフリー表面処理技術の開発と普及
里見氏は、金属の表面処理分野、なかでも防錆処理技術分野においてクロムフリー防錆技術やスラッジ発生防止などの新たな環境対応処理技術の研究開発と普及促進に大きく貢献した。高度なウェザリング技術により種々の環境下で信頼性が確認されたクロムフリー防錆技術は、従来のりん酸塩系化成処理に置き替わる環境対応表面処理技術として国内外で普及し、また化成処理スラッジ発生しない新たな加工用潤滑システムについても、産業界に多大なインパクトを与えた。

科学技術功労賞

吉田 公一
伊藤幹彌
(公財)鉄道総合技術研究所 材料技術研究部 上席研究員GL(防振材料)
材料積層による高分子材料の信頼性向上に関する研究
伊藤氏は、鉄道用のポリマー製品として、ポリカーボネート(PC)製樹脂ガラスの長寿命化を目指し、表面に耐候性層を設けたPCを開発、大幅な黄変低減を実現した。また、黄変度を指標とした非破壊によるPC製樹脂ガラスの劣化評価方法を考案した。 また、車両用床材をリサイクルしたポリ塩化ビニル(PVC)製の防草シートでは、表層にバージンPVCを積層することで可塑剤流失による特性の急変を低減させ、防草シートとして長期の安定的な性能実現に成功した。

第35回(平成28年度)研究助成贈呈者

吉田 公一
石山央樹
中部大学 工学部建築学科 講師
雨水に対して耐久性の高い木造ディテールの評価
本研究は、人工降雨実験方法の確立、および、雨水に強い木質構造ディテールの定量的評価および、さらに雨水に強い木質構造ディテールの開発を目的とする。
金子 健太郎
今本啓一
東京理科大学 工学部第二部建築学科 教授
実環境下における建築用外装仕上げ材の耐用年数予測手法と躯体保護効果の定量評価に関する研究
本研究は、外装仕上げ材による中性化抑制効果に着目し、「実環境下において劣化する建築用外装仕上げ材のコンクリートの中性化抑制効果のシミュレーション技術」の開発のため、「マルコフ連鎖モデルによる外装仕上げ材の耐用年数予測手法」および「実環境下における外装仕上げ材の躯体(コンクリート)保護効果の予測手法」の開発を目的とする。
坂井 建宣
岡山隆之
東京農工大学 大学院農学研究院環境資源物質科学部門 教授
アコースティック・エミッション法を用いた脆弱化した紙資料の劣化度測定システムの開発
本研究は、紙への損傷を最小限に止めながら、脆弱化した紙資料の強度を精度よく測定する方法としてアコースティック・エミッションを用いた紙の劣化度測定法を開発することを目的とする。
貝沼重信
九州大学 大学院工学研究院社会基盤部門 准教授
塗膜傷劣化の複合性と電気化学機構を考慮した鋼構造物の経時腐食損傷シミュレータの開発
本研究は、様々な形態の塗膜傷や劣化とそれらの相互干渉による電気化学機構を解明した上で、鋼構造物の部位レベルにおける腐食損傷の経時性を高精度に予測するためのシミュレータの開発を目的とする。
廣畑 幹人
兼松秀行
鈴鹿工業高等専門学校 校長補佐 材料工学科 教授
溶射によるバイオフィルム制御と大気腐食抑制に関する研究
本研究は、細菌の活動によって材料表面に形成されるバイオフィルムを溶射による表面改質によって制御し、この観点からの大気腐食の抑制プロセスとそのメカニズムの検討を目的とする。
森重 大樹
窪寺健吾
(地独)東京都立産業技術研究センター 多摩テクノプラザ繊維・化学グループ 主任研究員
フレキシブルセンサの屋外耐候性に関する研究
本研究は、テキスタイルなどのフレキシブル基材上にセンシング部位をつくるフレキシブルセンサの活用の場を屋外に展開するため、フレキシブルセンサの長期屋外耐候性について検討し、劣化部位の特定と劣化防止対策の効果を明らかにする事を目的とする。
福島 達也
黒田聖治
国立研究開発法人物質・材料研究機構 先進高温材料ユニット ユニット長
2016年度 ISO/TC 107 日本開催
ISO/TC107(金属及び無機質皮膜)は、無機系のコーティングにおける技術の国際標準化により世界の産業及び市場の活性化に資することを目的としている。日本で開催されるこの国際会議に関わる費用として会議運営費用の一部に使用する。
森重 大樹
多田英司
東京工業大学 大学院理工学研究科 准教授
オーステナイト系ステンレス鋼の大気環境応力腐食割れにおけるき裂発生・進展機構の解明
本研究は、海浜大気腐食環境のような濃厚塩化物の液薄膜下で発生するオーステナイト系ステンレス鋼の大気環境応力腐食割れ機構の解明を目指し、き裂発生、進展過程の精密観察によって、鋭敏化度、印加応力、水膜厚さの影響を明らかにする事を目的とする。
矢口 博久
米津明生
中央大学 理工学部精密機械工学科 准教授
高分子材料のマイクロスケール耐候劣化層の短時間診断技術
本研究は、先端が数マイクロメートル寸法のダイヤモンドプローブを高分子材料に接触させ、劣化層の引張強度や残留応力(残留ひずみ)、さらには余寿命を短時間で推定する技術に関する。マイクロインデンテーション法(微小押込み法)に基づいた高分子材料の耐候劣化層の健全性診断技術の開発を目的とする。

(肩書きは受賞当時・敬称略)