スガウェザリング技術振興財団
第35回 表彰・第36回 研究助成 贈呈式

(公財)スガウェザリング技術振興財団では、毎年ウェザリングの研究について、著しい成果を上げられた方の表彰・研究助成を行っています。今年も多数の応募の中から厳正な審査の結果、第35回表彰1件、第36回研究助成先6件を決定し、今春、贈呈式が盛大に執り行われました。

スガウェザリング技術振興財団 第35回 表彰・第36回 研究助成 贈呈式・記念祝賀会
板倉康洋 文部科学省 大臣官房審議官 須賀 茂雄 理事長 相澤益男 審査委員長
板倉康洋 文部科学省 大臣官房審議官 須賀 茂雄 理事長 相澤益男 審査委員長

平成29年4月27日(木) 東海大学校友会館

開会にあたり、須賀茂雄理事長(スガ試験機(株)代表取締役社長)の挨拶、相澤益男審査委員長(東京工業大学 名誉教授・元学長)の審査報告に続き、表彰並びに研究助成の贈呈が行われ、板倉康洋文部科学省大臣官房審議官にご祝辞を戴きました。
引き続いての記念祝賀会では、財団を代表し飯塚幸三評議員会議長(元工業技術院長 工博)、受賞者の堀 照夫氏(福井大学 産学官連携本部 客員教授(名誉教授))がご挨拶をし、丸山俊夫評議員(東京工業大学 理事・副学長(教育・国際担当) 工博)の発声で乾杯をしました。120名を越える方々でにぎやかな祝賀会となり、受賞者の栄を讃えました。第1回(昭和57年)より今回で、表彰は団体15件、個人154人、研究助成は249件を数えます。

記念祝賀会

飯塚 幸三 評議員会議長 堀 照夫氏
飯塚 幸三 評議員会議長 堀 照夫氏
丸山俊夫評議員 祝賀会会場の様子
丸山俊夫評議員 祝賀会会場の様子

第35回(平成28年度) スガウェザリング財団賞表彰

科学技術賞(個人)

堀 照夫
堀 照夫
福井大学 産学官連携本部 客員教授(名誉教授)
染色布帛(ふはく)の各種染色堅ろう度の評価および高堅ろう性染料の開発
堀氏は環境負荷低減、高堅ろう性を実現するために超臨界二酸化炭素を用いる染色・加工の原理を解明し、世界初の実用機の開発・普及に努めた。また、染色不可能とされてきたポリプロピレン用の高堅ろう性分散染料を開発し、試験生産を行っている。さらに、ISO/TC38国際会議にSC1/WG3のコンビナーとして「窒素酸化物に対する染色堅ろう度試験法」を提案し、2015年にリヨンで開催された同国際会議でこれを採択まで導いた。

第36回(平成29年度)研究助成贈呈者

安住和久
安住和久
北海道大学 大学院工学研究院電子材料化学研究室 教授
寒冷地における積雪下暴露金属試験片の詳細腐食モニタリング
一般的な暴露試験では、長期間暴露後の金属試験片の腐食状況を調査するが、効果的な腐食防止対策のためには、天候状況や季節変動による腐食進行状況を把握するべきである。本研究では、特に寒冷地での積雪下腐食現象を総合的に把握するために、暴露金属試験片に温度、膜厚、表面電導度など各種のセンサ群を配置し、リアルタイムでの腐食計測および環境計測を行う。
小原 久
小原 久
(一社)日本マグネシウム協会 専務理事
マグネシウム合金板材の暴露試験と塩乾湿複合サイクル試験の相関に関する調査
実用金属中で最軽量のマグネシウム合金は、製造が難しいとされていた板材の開発も進み、様々な用途への展開が期待されているが、耐食性に課題がある材料であり、特に板材については耐食性のデータが不足している状況である。
本研究では、マグネシウム合金の板材で複合サイクル試験を行い、乾湿が繰り返す環境下での耐食性データを整備すると共に、塩水噴霧試験等では良い傾向が得られていない暴露試験との相関性を調査する。
小林弘明
小林弘明
あいち産業科学技術総合センター 産業技術センター 主任
微粒子ピーニング処理と大気圧プラズマ処理の組み合わせによる塗装前処理プロセスの研究
亜鉛めっき鋼板の塗装前処理として化成処理がある。この化成処理は環境規制への対応が課題である。本研究では、微粒子ピーニング処理と大気圧プラズマ処理の組み合わせによる相乗効果に着眼し、これを利用した亜鉛めっき鋼板における塗装前処理プロセスの確立を目的とする。環境負荷の低減とともに腐食部等に対する現場補修への応用が期待できる。
田邉匡生
田邉匡生
東北大学 大学院工学研究科 准教授
テラヘルツ光による被覆PC鋼線劣化の非破壊・非接触診断
独自に開発してきた高輝度・広帯域テラヘルツ光源を用いて、現在までに実現している被覆電線の内部損傷や表面腐食の検査技術に合わせて、被覆樹脂の重合状態を診断する新たな技術を開発する。本研究では、それらを統合し、被覆PC鋼線の健全度だけでなく寿命も評価する非破壊・非接触劣化診断技術として確立する。
生岩量久
生岩量久
広島市立大学 名誉教授
IEC/TC104(環境条件、分類及び試験方法)東京会議開催
IEC/TC104は、環境条件、分類及び試験方法に関する規格を担務としている専門委員会で、環境試験として広く製品規格に引用される水平規格であり、時代に即した新たな試験方法の開発及びメンテナンスは非常に重要である。2003年に日本で開催して以後、景気の後退、審議団体の移管等のために日本で開催出来なかった。ここ数年、日本がプロジェクトリーダとして新たな規格案や改定案の作成が増加しており、日本の存在感は大きくなっていると共に、各国から日本開催依頼が出ていることから、平成29年12月11日~12月15日に東京で開催する。
細井厚志
細井厚志
早稲田大学 理工学術院基幹理工学部 機械科学・航空学科 准教授
海洋構造用CFRPの海水環境疲労寿命評価技術の構築
本研究は、海洋構造物に用いられる炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を対象として海水環境における疲労寿命評価技術を構築し、海水環境下における疲労破壊メカニズムを明らかにし、長期耐久可能な海洋構造部材の設計指針を提案することを目的とする。CFRP製の海洋構造物の持続可能性を考慮するうえで、設計寿命約50年以上にわたり損傷や破壊が生じないように建造するための設計指針を示す。

(肩書きは受賞当時・敬称略)