本年度は、コロナウイルス感染拡大の影響を鑑み、対面での講演を延期し、Web開催(オンデマンド配信)いたしました。本Webセミナーは新たな試みでございましたが、500名以上の方々にご参加頂き、盛況のうちに無事終了することができました。ご聴講頂いた皆様をはじめ関係の皆様に厚く御礼申し上げます。これからもウェザリング技術にたずさわる皆様のお役に立つ情報を発信し続けて参りますので、引き続きご支援の程何卒よろしくお願い申し上げます。
配信期間 | 2021年2月1日(月) ~2月7日(日) |
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配信方法 | オンデマンド配信 |
テ ー マ | ウェザリングの基礎 |
後 援 | 文部科学省 |
協 賛 | (一社)軽金属製品協会(公社)高分子学会(一社)色材協会 (公社)自動車技術会(一社)繊維学会 (一財)日本ウエザリングテストセンター(一社)日本建築学会 (一社)日本照明工業会(一社)日本ゴム協会(一社)日本塗料工業会 日本プラスチック工業連盟(一社)日本防錆技術協会(一社)表面技術協会 (公社)腐食防食学会 スガ試験機㈱ |
主 催 | (公財)スガウェザリング技術振興財団 |
要旨集 | 要旨集ご購入はこちら |
CIE 241:2020(Recommended Reference Solar Spectra for Industrial Applications)の発行 ― CIE 85:1989 からの改正 ―
1989年に発行されたCIE 85は太陽放射の分光放射照度の報告書で、特に地表上に到達する太陽放射の分光放射照度のTable 4 は、太陽放射のベンチマークとして ISO をはじめ IEC、ASTM、SAE など世界中の多くの促進耐候性試験規格に長年引用さ れてきた重要な Table である。以前より改正議論があったが、4年前より新 TC が設置され国際審議が進み、この度、新た に CIE 241:2020 として発行された。これに伴い CIE 85:1989 は廃止された。主な改正点は、測定波長間隔の変更、紫外短 波長域(305nm 以下)の規定、最新の計算式の採用、入力パラメーターの明確化である。本講座では CIE 241 新規発行まで の経緯、CIE 85 からの改正点について解説した。
特徴ある地球環境に曝されたプラスチックの劣化事象から ― 地球環境の多様性を考える ―
屋外暴露された高分子の劣化は、しばしば促進劣化された場合との比較が行われているが、さまざまな屋外暴露試験場に 暴露された高分子劣化についても、相互の劣化性状の関係性が明らかにできないのが現状である。本講座では高分子の光 酸化反応を中心とする自然劣化の環境依存性について近年の動向を発表した。また屋外暴露試験結果と促進耐候性試験結 果から統計的手法を用いた劣化予測研究について、その取り組みを紹介した。
分光老化試験の重要性と国際標準化、試験の実例紹介
身の回りにある物質は、太陽光の波長により異なった劣化感度(分光劣化感度)をもっている。そのため、各波長での物 質の劣化特性を評価することは非常に重要である。ISO/TC61/SC6(プラスチック/耐候性)で日本提案により規格化された分光老化試験(ISO 21475:2019)の目的・試験方法について、プラスチックや画像出力等の試験結果を用いながら説明した。
腐食促進試験規格 ISO 9227, ISO 14993, IEC 60068-2-52 の解説と 各試験方法における鋼板 SPCE の腐食減量
腐食促進試験は、試験対象材料毎に、使用環境や使用目的に応じて、さまざまな試験方法が規格化され実施されている。 その中でも世界的に広く用いられている代表的な腐食促進試験規格に、ISO 9227、ISO 14993、IEC 60068-2-52 がある。本 講座では、各試験規格において ISO 9227 規定の腐食照合試験片(鋼板)を用いて行った腐食減量の結果を紹介し、各 試験規格の試験の特長と厳しさを解説した。
像鮮明度の測定原理と光沢・ヘーズ・像鮮明度の測定値比較
像鮮明度とは、金属や塗装表面に写り込んだ物体の像、又はフィルムなどを透過して見える物体の像が、どの程度鮮明に ゆがみなく見えるかの度合を表す。複数の異なる仕上がりの塗装鋼板に写りこんで見える像の鮮明さを、目視による評価 と測定器による評価を比較しながら像鮮明度の有効性を説明した。また促進耐候性試験後の塗板の見た目の評価を、従来 は色差や光沢残存率で行っているが、像鮮明度と合わせて評価した事例を紹介した。